ABOUT

 大阪府の北の方。古民家にて母と2人、機織り工房を営むレイと申します。

 私が本格的に機織りに興味を持ちはじめたのは今から2年前、中学2年生の頃からです。今では母と共に織ることが日常となりました。

 それ以前の母は広い手織り工房で1人で機を織っていた…という訳ではなく、彼女にはかれこれ30年ほどの付き合いになるパートナーがいるのです。
 ここではその「パートナー」と母についてのお話を書こうと思います。


 出会いは母が二十代、織りの産地である新潟県十日町市の織り道具屋でのこと。1台の黒くスス焼けした和機に心を奪われました。

 和機とは…日本古来より布を織るために使用されてきた、織るための最も重要かつ基本の道具のひとつ。昔の家には当たり前に置いてあるのですが、その中でもこの和機は特別でした。

 一般的な和機の約二倍の全長に、織り手への気遣いを感じるやさしい細工たち…。母はその場で迎え入れることを決め、大阪へ輸送。それからはうえんそら工房にて多くの時間を共に過ごしました。


 化学物質過敏症という病からの三度の妊娠や出産・離婚…人生の岐路に立った時は、いつだってこの100年生きた和機が支えてくれていたといいます。

 素晴らしい織り機と出会えたご縁に感謝する日々だと、そう語る母。これからもこのパートナーと共に素晴らしい作品を生み出し続けます。


 悠久の時を刻んできた和機とその技法。それらを受け継ぐこと、伝えること。その思いが私の根底。ですがそれだけではままならないことを中学、高校と社会に出るにつれて実感する日々です。
 
 苦しいことも上手くいかないことも沢山あります。それでも、どうしようもなく楽しい手織りの時間。できるだけ多くの時間を手織りと共に、母と過ごしていきたいです。

 Reia_worksをよろしくお願いいたします。